効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■ジェット燃料の脱炭素

大型旅客機にしろ貨物機にしろ、飛行機を飛ばすのには大量のジェット燃料が必要なのは感覚的にも理解できる。その燃料がこれまでは石油由来のものだったのは当然だが、そこから排出される地球温暖化ガスである炭酸ガスの量は膨大となる。これを削減するために、ジェット燃料をバイオ化する方向に急速に向かっている。

ジェット燃料の環境規制を見据え、石油元売り各社が持続可能な航空燃料(SAF: Sustainable Air Fuel)の供給体制の整備を急いでいる。現在流通しているSAFは食用油の廃油などを原料とする製法が主流になっている。業界最大手のENEOSは仏トタルエナジーズと連携し、根岸製油所で年間40万キロリットルのSAFを製造する方針を4月に発表している。

出光は27年3月期にも千葉事業所でエタノール由来のSAFの製造を始める計画を示している。30年にも年50万キロリットル規模まで増やすとのこと。国内ガソリン需要が減少するなか、敷地内の石油タンクをエタノール用に改修し、エタノール基地とする。コスモ石油もこれまで日揮ホールディングスなどと組み、廃食油を原料としたジェット燃料の供給を目指していたが、今回、新たにエタノール由来のSAFも加えることで、供給体制を拡充する。

コスモ石油や出光がエタノール由来のSAFに取り組むのは、廃食油に比べて原料を確保しやすいという利点があるためだ。現在、廃食油の多くは家畜飼料の原料やせっけんなど工業用途になっている。国土交通省は30年までに航空燃料の10%(約130万キロリットル)をSAFに置き換える計画を立てているが、これをすべて廃食油由来のSAFで賄おうとすると、廃食油の争奪戦は必至となる。一方、エタノールは既に米国やブラジルなどで自動車用燃料の原料として利用されており、安価に大量製造できるノウハウが蓄積されている。サトウキビなどが原料となっている。

島国である日本は航空機が必然の海外との交通手段となる。安価なSAFの確保が国運を左右すると言っても良いくらいだろう。価格面でもメリットは大きい。廃食油由来のSAFは1リットル当たり1000円台と、現在流通するジェット燃料より最大10倍ほど高い。ジェット燃料に活用するためには脱水や重合など、エネルギー密度をさらに高めるための工程が必要だが、出光はエタノール由来のSAFを1リットル当たり100円台に抑えることができると分析している。

だが、問題は国産のエタノールは僅かだから、海外依存になることは必然。国際収支の面から見ても、今後の大きな課題となるだろう。

 

 

 

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