効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■廃プラからの燃料で空を飛ぶ

  日本航空、丸紅(など4社は225日、日本において廃棄物由来の代替ジェット燃料を製造・販売する事業について、事業性調査を共同で実施すると発表した。今後は調査結果を踏まえ、2020年代前半に実証設備の導入と試験を実施し、2025年頃に商用機の着工を目指すという。これを読んで、廃棄物は食品などを意味するのかと思ったが、そうではないようだ。この調査では、米国で一般廃棄物由来のバイオジェット燃料製造事業を手がけるFulcrum BioEnergy社の技術を活用し、現在、リサイクルできず、国内で焼却・埋立処理されている中・低品位の廃棄プラスチックを含む産業廃棄物や一般廃棄物を原料とする「国産」代替ジェット燃料の製造・販売に関わるサプライチェーン構築に向けた事業性評価を実施する。米国ではバイオジェット燃料を作るとあるのは、原料は廃棄プラスチックではないはず。

  参画企業はそれぞれの専門性を生かし、20202月から12月にかけて、廃棄物の収集・処理システムの検討や製造プロセスの技術評価、製品のロジスティックスの評価、LCALife Cycle Assessment:製品やサービスのライフサイクルを通じた環境への影響を評価する手法)によるCO2排出量削減効果の検証などを行うとあるが、廃棄プラスチックを原料とするのなら、一段階を置いて化石燃料を使うのと同じことになる。プラスチック製造段階のCO2排出量も計算に入れるのだろうか。航空燃料のCO2排出量削減と廃棄プラスチック問題という社会課題に対するソリューションの確立に貢献していくということだが、廃棄プラスチックの削減には意義があるとはいえ、CO2排出量削減が多少合ったとしても看板に偽りありではないか。

  航空業界においては、グローバルな航空輸送需要の拡大に伴い、地球温暖化による気候変動への対応が喫緊の課題となっている。国内では、ANAホールディングスと資本提携するユーグレナが、細藻類ミドリムシから航空機向けのバイオ燃料を製造する取組みを推進している。JALANAに対抗するためにこのような方向に動いているとすれば、残念なことだ。日本の大手航空会社が一緒になって国産のバイオ燃料製造を後押ししてほしいものだ。この間書いたことだが、ユーグレナ社は、201810月に、日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを竣工させ、2月初めに、この実証プラントで導入している技術が、バイオジェット燃料製造技術の国際規格「ASTM」の新規格を取得したと発表している。すぐに使えるのだから、現在の航空機燃料に混入利用を始めるのが取るべき道ではなかろうか。

 

 

 

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