効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

燃えるゴミをまるごとエタノールに変換

積水化学が燃えるゴミからエタノールを作る技術を、ランザテック社(LanzaTech/米国イリノイ州)と共同開発して生み出したと発表している。これまで、雑多な燃えるゴミを分別せずに一挙にガス化する技術を開発し、そのガスで発電が出来るシステムにしていた。そのガスをさらに合成化学の原料となるエタノールに変換できるようにしたというものだ。この実証プラントを埼玉県寄居町に建設しているが、工場や事業所、家庭などから発生するさまざまなゴミから、年間約20キロリットルのエタノールが生産されている。パイロットプラントで採用されている技術は、まず、雑多な可燃性ごみを一切分別することなく、すでに確立された技術によりガス化し、化学的組成が単一の原料に変換し、続いて、このガスを微生物により、熱・圧力を用いることなくエタノールに変換するというもの。このパイロットプラントはフルプラントの1000分の1のサイズ。得られるエタノールはコスト的にも市場性があるものだという。同社は、この技術により、全国約1,200カ所の焼却施設でエタノールを生産できるとし、老朽化した焼却施設の更新やエタノール化施設の新設による地方分散型の産業創出を見込んでいる。今後、同技術をもとに各自治体と事業化を検討し、2019年度までにフルスケールの1/10の規模でプラントを稼働する予定だ。また、2020年度以降は、普及を加速させ、年間2〜4基の建設を目指している。奈良市もゴミ処理場の移転問題が難航しているが、新しい産業であることを地元に示して受け入れやすいものにできないだろうか。