ロシアがドイツへのガス供給を、設備の点検時期だとして10日間の停止に入った。点検だけなら長くとも二～三日で済むように思えるが、この停止がもっと長く続く可能性もあるらしい。ドイツがウクライナへ武器支援を行っていることへの対抗策だと考えられている。短期間の停止であれば、ある程度はガスホールだーや地下貯蔵で回避できるだろうが、ドイツへの板では大きいだろう。ただ、これが寒い時期でなかったのが不幸中の幸い。地域暖房が機能しなければ，凍死する人も出る可能性がある。
この問題はなさそうなのが、やはりロシアからのガスを輸入しているハンガリー。この国には地熱を利用した地域暖房があるからだ。地域暖房は人口が集中している地域に適しているエネルギーシステムだといえる。いまハンガリーでは、この地熱回収能力の増強を始めたと報じられている。来年にこれが完了すると、27の地熱採取の井戸が稼働することになる。ロシアからのガスが止まることによる影響はドイツに比べればかなり小さい。ハンガリーは石油の65％、天然ガスの80％をロシアに依存しているから、これが停まることの影響は小さくはないが、国内に大きな熱源があることが幸いしている。この熱で発電もできるから、エネルギーの基幹部分は何とか維持できそうだ。
日本は地熱の潜在量は多いのだが、ほとんど開発利用されていない。若干の地熱発電があるだけだ。ロシアからのLNG供給が止まる可能性は高い。今後のエネルギー自給率を高めるためにも、自然エネルギーである地熱の開発利用を推進する必要があるだろう。
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