効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■水素製鉄

世界の製鉄所では、鉄鉱石を還元するのにコークスを使うため、その過程で大量の炭酸ガスが排出される。ネットゼロエミッション達成にとって大きな壁となっている。地球温暖化対応の姿勢を具体的に見せることが企業の責任とされるようになって、この製鉄工程に水素の利用が導入されようとしている。鉄鋼は業界全体で世界のCO2排出の7~9%を占める。石炭に比べCO2排出が少ない天然ガスや、CO2をゼロにできる水素を使うのが直接還元法(DRI)だ。

水素を使った製鉄の実現に向け、欧州で設備投資が動き始めている。欧州アルセロール・ミタルは最大15億ユーロ(約2000億円)を投じてドイツの2カ所の製鉄所に水素で鉄鉱石を還元する設備を導入する。スウェーデン鉄鋼大手SSABなどは同国で進める水素製鉄の共同事業で水素の貯蔵施設建設を決めた。世界で温暖化ガス排出削減の期限が前倒しになるなかで、鉄鋼分野の脱炭素を急ぐ。

ミタルは独北部ブレーメンと東部アイゼンヒュッテンシュタットの製鉄所の高炉を、水素で鉄鉱石を還元する直接還元プラントにそれぞれ転換する。10億~15億ユーロを投じ、2030年までに年間350万トンの鉄鋼を新しい製法で生産する計画だ。十分な量の水素を確保できれば、500万トン以上の二酸化炭素(CO2)を減らせるとみている。

スウェーデンのSSABは水素貯蔵施設を建設しようとしている。SSABは鉄鉱石大手のLKABと電力大手のバッテンファルのスウェーデン2社と共同で進めている水素製鉄プロジェクト「ハイブリット(HYBRIT)」を拡大する。20年にスウェーデン北部のルレオにあるSSABの製鉄所で試験プラントを稼働させたばかりだが、次の段階に進む。ルレオでは2億5000万クローナ(約33億円)を投じて水素を貯蔵するための岩石洞窟を作る。水素を安く大量に保管するには岩塩洞窟や岩石洞窟が最適とされる。

ここでの大きな課題は、基本となる水素の製造コストをどこまで下げられるかである。それがうまく行かなければ、従来方式の製鉄所と競争力を失うことになりかねない。最終的には再エネ証書のような補正がなされるのだろうが、日本の製鉄所も海外と同様の水素化の方向に向かわなければ、鉄を購入する事業者や消費者から見捨てられる可能性もある。

 

 

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