効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■特定金属の取り合い

脱炭素社会に向けて、水の電気分解設備や電気自動車の普及、燃料電池の開発、特殊鋼の増産などが必然だが、それに伴って、それらの素材に不可欠な金属が将来不足する、あるいは、価格が高騰する可能性が高い。IEA(国際エネルギー機関)がそれら金属素材の生産状況を分析し報告している。

報告書は温暖化ガスの排出削減を進めるほど、一部鉱物の需要が増えると指摘している。例えば電気自動車(EV)の生産にはリチウムやニッケルなどを中心に、ガソリン車など従来の車に比べて鉱物を約6倍使う。陸上風力発電はガス発電に比べて、1メガワットあたり銅や亜鉛などを中心に9倍必要になる。とりわけEVとバッテリーに使われるリチウムの需要が急増する。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が定める「産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑える」という目標を達成するには、40年時点で20年比40倍以上が必要になる。コバルトやニッケルも約20倍になるという。エネルギー分野全体では、パリ協定の達成には40年時点で重要鉱物の需要は同4倍に、50年に世界全体の排出を実質ゼロにするには同6倍必要と分析した。これに対応するだけの生産継続が可能だろうか。

IEAは現状の供給体制や投資計画では、予測される需要の伸びをまかないきれないと警鐘を鳴らし、投資拡大に加え、鉱物を効率的に使う研究開発やリサイクルを進めるよう促した。当面は投資拡大、長期的には効率的リサイクルが必要なのだろう。これら資源の偏在も大きな問題となる。例えば、銅やコバルト、リチウム、レアアース(希土類)の加工では中国が4割以上のシェアを握る。現在の国際動向から見ると、これらの供給を梃子にした政治的な動きを中国がとることは間違いなかろう。中国企業が世界の重要金属生産地の事業を支配することも既に始まっている。

技術開発でも遅れ始めている日本は、これら材料の確保のために中国の意を汲んだ政治行動をとらないようにしてほしいものだ。

 

 

 

 

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