効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■日本でレアメタルの掘削試験に成功

リチウム、コバルトといったレアメタルは日本国内で産出しない。鉱脈がないからだ。だが蓄電池、触媒などには不可欠な元素なので、全て輸入に頼らざるを得ず、その産出場所の利権が中国などに抑えられていて、日本の製品の国際競争力を劣化させている。かなり前に、太平洋岸の日本の領海域に、レアメタルを多く含んだ海底汚泥が発見されたという記事を見たが、その採取と生成技術を確立するには時間がかかるだろうと思ったことがある。

だが、昨日見た報道記事で、JOGMEC(東京都港区)は8月21日、経済産業省の委託を受け、7月に南鳥島小笠原諸島)南方の日本の排他的経済水域内において、世界で初めて海洋鉱物資源コバルトリッチクラスト(クラスト)の掘削試験を実施、成功したと発表したということを知った。クラストには電池材料として不可欠なコバルト、ニッケルが含まれている。同機構のこれまでの調査結果によると、試験海域に位置する拓洋第5海山には電池材料として不可欠なコバルトが日本の年間消費量の約88年分、ニッケルが約12年分存在することが見込まれ、貴重な国産資源となることが期待されていると述べられている。これら一連の取り組みはについて同機構は「日本の海洋鉱物資源開発に必要な技術の確立に向けた大きな一歩」だとしている。

拓洋第5海山平頂部(水深約930メートル)において、海底熱水鉱床用に開発した採掘機をクラスト用に改造して掘削試験を行い、海底の傾斜地や砂地を含む諸条件の下、掘削効率や走行性能などの掘削技術に関するデータを取得するとともに、649キログラムのクラスト片などを回収したという。今回の掘削試験は、JOGMEC所有の海洋資源調査船「白嶺」を用い、JOGMEC職員(調査団長:五十嵐 金属海洋資源部長)が試験を統括し、大学などの外部有識者から構成される海洋鉱物資源開発検討委員会やワーキンググループの指導や助言のもと、JOGMECから委託を受けた三菱造船(神奈川県横浜市)、住友金属鉱山(東京都港区)、三菱重工業(同・千代田区)からなるコンソーシアムを中心とする産学官連携体制で実施された。なお、クラストは、北西太平洋域の海底に点在する海山の水深約800~2,400メートルの山頂部から斜面にかけての岩石(基盤岩)を覆う厚さ数ミリメートル~十数センチメートル程度のマンガン酸化物で、コバルト、ニッケル、銅、白金、マンガンなどの金属を含む。

今回は、第1段階の掘削に成功したということであって、これから安定的にまとまった量の採取ができ、その採取した汚泥からレアメタルを精製するのを商業化するには10年単位の時間がかかるだろうが、日本がレアメタルの生産国になることができるようになれば,多様な技術開発による新製品が生まれることが期待される。国を挙げてのサポートが必要だろう。

 

 

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