効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

リチウムイオン電池の充電速度

電気自動車は電気モーターで駆動されるために、走行も円滑で高速の乗り心地も良い。そして、充電を再生可能エネルギーから作った電気で行えば、地球温暖化ガスであるCO2を排出せず、走行中も排ガスを出さないという優れものである。だが、その駆動エネルギーを供給する蓄電池を車体の中に納める必要があるために大きさや重量に制約がある。さらには、電気を補給するのに30分以上も時間がかかるということが、普及している液体燃料を使う自動車に比べて致命的に不便な条件であるために、普及が制約されている。充電拠点を作るのも制約だが、駐車しているときに充電はできるから、走行先で充電する早さが大きな課題となっていた。ところが、カネカと愛知工業大学の森田靖教授らは、100倍以上高速に充電できるリチウムイオン電池を開発したということで、これが実用レベルになれば、自動車について革命的なことになると同時に、燃料電池自動車の普及にも大きな影響を与えることになるだろう。開発したリチウムイオン電池は、正極の材料として、TOTと呼ぶ有機分子にカーボンナノチューブを混ぜたものを用いた。体積あたりにため込める電子の数が多く電気伝導度も高いため、効率よく充放電できるといことだ。現在のリチウムイオン電池は正極に希少金属であるコバルトの酸化物を用いており、同じ大きさのコイン型電池の充電に数時間かかる。大電流を得るのも困難で、電気自動車では加速時などに備え、電気をため込んで一気に流すキャパシタという装置を搭載している。新開発の電池は大電流を流せるのでキャパシタが不要になる。コスト削減と加速性能の向上につながると期待される。このような技術が必ず登場すると思っていたが、それが日本で行われたということは素晴らしい。