IHIは,国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託事業として,液体アンモニアを燃焼器内に直接噴霧して天然ガスと混焼させる2,000kW級ガスタービンの技術開発を実施し,世界で初めて熱量比率70%の液体アンモニアを安定燃焼させるとともにNOx発生量を抑制することに成功した,と3月26日に発表している。アンモニアの燃焼実験がこのクラスの規模で世界初とは知らなかった。また,100%液体アンモニア専焼でのガスタービン運転にも限定的に成功したそうだ。
プレスレリースをそのまま引用すると、「IHIは2018年3月に,2,000kW級ガスタービンで熱量比率20%の気体アンモニアを天然ガスと安定に混焼させると同時に,NOx発生量を抑制する燃焼技術を実証しました。さらにCO?排出量を削減するためにはアンモニア混焼率を高めていく必要がありますが,多量の気体アンモニアをガスタービンに供給するためには,蒸発器・制御弁などの付帯設備を大型化する必要があり,設備コストの増加が課題の一つとなっていました。そこで2019年5月からIHIは,国立大学法人 東北大学 小林秀昭教授,国立研究開発法人 産業技術総合研究所とともに,液体アンモニアを燃焼器に直接噴霧して安定燃焼させる技術開発に取り組みました。通常液体状態で貯蔵されているアンモニアを気化させずに直接使用するため,付帯設備が不要になるほか,制御性向上などのメリットがあります。」
アンモニアは天然ガスと比べ燃焼速度が遅く,安定な燃焼が難しいことに加え,液体アンモニアの気化潜熱)が大きいことにより燃焼器内の急激な温度低下を招き,安定燃焼させることは困難と考えられていたそうだ。燃焼器の改良を行うことで安定燃焼に成功したとのこと。アンモニアは燃焼しても炭酸ガスを排出しないことから、火力発電所から排出される燃焼ガス中の炭酸ガスの排出を減らすことが出来る。間もなく液体アンモニアの輸入もかいしされることになっているが、これからの課題はコストダウンだろう。
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