効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

アンモニアを燃料に

アンモニアも燃焼させることができるから、ガスタービンを回して発電するような形で利用することはできるらしい。しかし、アンモニアは都市ガスの主成分であるメタンなど、他の炭化水素系燃料と比較して、炎を良い状態で安定させる保炎範囲がとても狭いのと、燃焼速度が非常に遅く、メタンのわずか5分の1に過ぎないために、燃焼性は低く、多くの場合、着火および保炎が難しい。そのため、燃焼時にNOXは出るが、地球温暖化ガスであるCO2を排出しない燃料として利用がし難かった。だが、つい最近、IHIアンモニア天然ガスに20%混ぜて安定的にガスタービン発電用に使える目途がついたと発表し、また、その少し前に、石炭火力発電所アンモニアを混焼させる実証実験に成功したと発表している。燃料に占めるアンモニアの比率を「世界最高水準」(同社)の20%に高めており、2020年の実用化を目指すとし、これには、既存の石炭火力ボイラーの改修で導入できる利点もある。石炭火力発電には世界中で逆風が吹いており、環境負荷を低減できるアンモニアの直接燃焼はその風を弱めることになるかもしれない。報道では、国内の石炭火力発電所をIHIが開発した混焼法に置き換えた場合、国全体のCO2排出量を4%減らすことができる試算もあるということだが、この方式を採用することは設備コストが上がる可能性もあり、石炭火力の唯一の強味である発電コストの低さを薄めてしまうかもしれない。その点では天然ガスへの混焼の方が好ましいように思える。ともあれ、発電によるCO2排出量を減らす技術が開発されているのは嬉しいことだ。