効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■日本製鉄、鹿嶋の高炉1基休止

 日本製鉄は茨城県鹿嶋市の製鉄所で、基幹設備である高炉1基を休止する方針を固めたと報じられている。広島県などでも高炉3基の休止を決めており、国内の生産能力は現状から約2割減る。日本製鉄は、その技術を韓国や中国に教えてやったのだが、それが年の経過と共に日本の方が市場支配力を失ってしまったのだ。足元では自動車向けの需要が増えているものの国内能力にはなお過剰感がある。政府の脱炭素政策で二酸化炭素(CO2)を大量に排出する高炉の操業がコスト要因にもなっており設備削減に踏み切るというのは口実のようなものだ。日本経済を担ってきた役割を失ったと言えるだろう。これまでもおそらく高炉の操業度を落としてきたのだろう。

報道記事に拠れば、高炉は鉄鉱石を高温で溶かし、様々な鋼材の原料を生産する製鉄所の中心設備。いったん稼働させると十数年止めず、休止後の再稼働には多額の投資がかかる。日鉄は全国に14基の高炉を持ち、東日本製鉄所鹿島地区(鹿嶋市)に高炉は2基ある。そのうちの1基を数年以内に休止する。単純計算では日本製鉄の生産能力の約1割に相当する。

同社は製鉄以外にどのような事業を主力としているのだろうか。軽くて強靱な自動車用鋼板ではトップの技術を開発してきたが、それも中国などに追いつかれたのだろうか。だとすると、次の主力事業を育てなくてはならない。新日本製鉄住友金属が統合して誕生した新日鉄住金は、2019年4月に商号を変更し、日本製鉄として新たなスタートしたばかりだが、そのホームページを見ても鉄のことしか出ていない。これからも製鉄事業として走り続けるのだろうか。

同社が東日本製鉄所鹿島地区の高炉1基を休止するとの報道について、「当社は製鉄事業の競争力強化に関して継続的に検討を行っており、成案を得た施策については決定次第公表しているが、報道内容について決定した事実はない」とのコメントを発表したということだ。しかし、検討していることは事実なのだろう。日本のシンボル事業が時代の流れの中で軸を失っていく様子を見るのは寂しいことだ。

 

 

 

 

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