効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■大成建設、CO2からコンクリート製造

普通の燃料を燃やしたときには、CO2が排出される。これはバイオマス燃料を使っても同じことだ。ただ、植物などのバイオマスは、空気中のCO2を本体の組成として取り込むことから、自然のリサイクルだと見做して、再生可能エネルギーの一つと見なしている。だが、燃焼で排出されるCO2と、植物や藻類が吸収するCO2の量が均衡している保証はない。だから、どのような形の物にしろ、燃焼で排出されるCO2は除去して地下に埋めるか、何かに再利用してリサイクルするしかない。その方式の開発に世界がしのぎを削っていると言っても良いだろう。

それに一石を投ずるような報道があった。大成建設二酸化炭素(CO2)からコンクリートを製造する技術を開発したと発表したのだ。CO2を原料にした炭酸カルシウムを使い、1立方メートルあたり最大170キログラムのCO2をコンクリートに封じ込めることができる。コンクリートは原料のセメントを製造する工程で大量のCO2を排出するが、炭酸カルシウム製に置き換われば一転して大幅な削減が可能になる。企業の脱炭素の動きが素材の革新を促している。これもCO2のリサイクルにつながるカーボンキャプチャーの技術だ。大成建設によると、コンクリートの閉じ込めることができるCO2の量は地中などに埋め込むCCS(回収・貯留)とほぼ同等だという。

建設工事で使用するコンクリートは製造工程で1立方メートルあたり260~300キログラムのCO2を排出し、このうち約9割がセメントの製造過程で発生。大成建設はセメントを使わず、大気中のCO2とカルシウムを合成した炭酸カルシウムでコンクリートを作る技術をこのほど確立したのだそうだ。炭酸カルシウムの製造工程でもCO2は発生するが、コンクリート内に閉じ込める量が上回り、1立方メートルあたり5~55㌔のカーボンマイナスとなる。解体後も再びコンクリート素材への再利用を目指す。差引計算が結構ややこしいが、CO2排出ゼロの燃料は水素、あるいは、アンモニアなどとなるから、これ以外のものは常に差引計算でカーボン排出がマイナスとなる技術開発に進まなければならない。

同じ報道で述べられているが、大気中のCO2から炭酸カルシウムの製造を手掛ける出光興産は宇部興産日揮などと共同で製造技術の確立を進めている。量産コスト削減がCO2を閉じ込めるコンクリート普及の課題となる。コストが低くなるに越したことはないが、地球環境が破滅しないようにするコストと考えれば、差引計算でマイナスとなるのをコストに変えて計算するような方策、すなわち、炭素価値の売買市場を設立することが必要なのかも知れない。あまりコストコストと言い過ぎると、それで地球の首が絞まってしまっては意味がないのだから。

 

 

 

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