効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■メタンハイドレート

メタンハイドレートはメタンと水が海底で結合している水和物。これを取り出す技術の開発については、もう10年以上前に盛んに論じられたが、おそらく安定的に採取する技術を確立出来なかったのだと思うが、全く話題に上らなくなっていた。それが、三井海洋開発は水素の原料となるメタンを海底から採掘する技術を開発すると報じられている。1立方メートルから約160立方メートルのメタンガスを取り出せ、さらにメタンを分解すれば水素を生み出せるようだが、採掘技術はまだ完成してはいないはずだ。いま流行になっている水素の利用に向けた動きだが、いろいろ課題がある。

メタンハイドレートの採掘に成功しても、それをメタンとして取り出すときに一部がリークしないか、ということだ。リークすると、メタンの地球温暖化効果は炭酸ガスの数倍だから、全くの虻蜂取らずになる可能性が高い。メタンをリークさせずに採取できたとしても、メタンから水素を取り出す化学反応では、必ず炭酸ガスが出るから、それを捕捉しなくては、温暖化ガスを増産することになってしまう。このカーボンキャプチャー技術はまだ実用的な物としては完成したとは言えない段階だし、捕捉できた炭酸ガスは何かの形で固体にして地下深く埋設する必要がある。そのコストが追加されるから、水素のコストは上昇する。

報道記事では、「足元では水素の原料としては輸入に頼る天然ガスなどが多くを占め、水素原料の安定確保や価格面が課題だった。日本近海に眠るメタンハイドレートを活用できれば地政学リスクを避けながら、水素原料を調達できる。メタンハイドレートは燃やした場合に排出されるCO2が石炭や石油よりも3割ほど少ないといった利点もある。」とあるが、それであれば、天然ガス火力の燃料にする方が早道だろう。

2050年に向けたカーボンニュートラルにするという日本の目標に対応する動きだが、メタンハイドレートの有利性は、自国産のメタン(天然ガス)が得られるということだけだ。あまり無理はしない方が良いように思える。

 

 

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