脱石油がここまでくるとは思わなかった。報道によると、英石油大手BPが2日発表した2020年12月期決算は、最終損益が203億500万ドル（約2兆1300億円）の赤字に転落したということだ。前の期は40億2600万ドルの黒字で、通年での損失は15年12月期以来5年ぶり。赤字幅は当時の約65億ドルを大きく上回り過去最悪になっている。新型コロナウイルスの影響で石油製品の販売量と価格が落ち込み、事業資産の減損損失もかさんだという説明がされているが、多分それだけではないだろう。石油を原料とするものが排出する炭酸ガスに対する反感が表現された部分もあるように思う。
売上高は35%減の1803億6600万ドル。グループ全体の生産量（石油換算ベース）は日量347万バレルと8%減った。原油市場ではコロナ禍で航空機向け燃料を中心に需要が急減。BPは上流部門で平均単価が石油は1バレル36.16ドルと前の期の57.73ドルから4割近く下がり、量と価格の両面から打撃を受けた。昨日書いたような航空機燃料のグリーン化が進めば、業績の回復があったとしても、元のレベルにはならないだろう。
おそらく原油だけに依存するのではなく、再生可能エネルギー関連の技術開発と商品化に力を入れるに違いない。そうしなければ、長期的に石油事業だけでは低落を避けられないからだ。今後どのように展開するかを注視することにする。
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