効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

メキシコ湾海底油田からの流出

この間ここで書いたBPの海底油田からの原油流出がまだ止まっていない。何しろ1,500メートルの深さのところで汲み上げパイプが破壊されたのだから、その修理作業自体が極めて難しいことは理解できる。鉄の箱で流出する原油をかぶせて、その上部から吸い出そうとする試みには失敗した。今日の報道によれば、直径53センチほどのパイプに約10センチの細いパイプを挿入して原油を吸い上げ始めたという。しかし、それで流出する原油のどれくらいが回収できているのかはわからない。流出量も1日5千バレル(約80万リットル)と米国政府は発表しているが、その5倍に達するとする見解もあるそうだ。
さらに大きな鉄箱を作成中と聞いているが、それがいつ持ち込まれるかはわからない。それで抑え込みに成功するかどうかも不明だ。流出した原油の一部はルイジアナ州沿岸で確認されており、湿地帯などの生態系が危機にさらされている。米当局は漂流する原油の動向を見ながら漁業禁止区域を設定。観光業などへの影響も懸念され、「経済的な打撃は10億ドル(約920億円)を超える」との見方も出ている。
この事故によって、海底油田だけでなく、天然ガス田についても慎重論が出るだろう。オバマ政権のエネルギー政策ではグリーンエネルギーに比重がかかっていたが、共和党に配慮してこの油田掘削の許可を出したといわれている。これから再生可能エネルギーに比重をさらにかけるかどうかだが、米国の場合、発電に石油を大量に使っているわけではないので、影響を受けるのは自動車だろう。電気自動車の開発に拍車をかけて、ガソリンや軽油の消費量を削減させる政策が強化されるかもしれない。
いずれにしろ、原油の流出を抑え込まなければ、メキシコ湾が死んでしまう可能性も出てきた。