効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■原油価格とコロナ

 新型コロナウイルスの蔓延が収まる気配はなく、世界経済は極端な下降局面に入っている。日本も全体が足止めされて、中小企業が倒産の瀬戸際になり始めている。個人に対しては、10万円の給付がされることになったが、売上が急減した企業への救済策は一応示されてはいるが、条件付きだからそれを示すのに時間もかかり、審査する側にも時間がかかるだろう。

 この世界経済の状況が具体的な姿で示されたのが今日の原油先物価格だ。日経新聞の報じるところでは、20日のニューヨーク原油先物市場で史上初めて価格がマイナスとなったようだ。原油需要が激減する中で在庫が増え、保管スペースが枯渇している。ファンドが投げ売りし、1分で10ドル以上下落する場面もあった。21日に取引を終える5月物だけの局所的な話だが、世界を代表する国際商品市場で極めて異例の事態だとしている。

 20日WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近5月物の清算値は1バレルマイナス37.63ドルで、前日から55.9ドル下落した。朝から売りが先行したが、拍車がかかったのは午後に入ってからだ。正午すぎに10ドルを割ると、10分おきに1ドル下がるような展開になった。午後2時すぎに節目の0ドルを割ると午後2時30分には一気にマイナス40ドル強まで崩れた。背景には需要激減と原油保管スペースの枯渇がある。米国では外出規制でガソリンの使用が激減しているほか、企業のエネルギー需要も急減している。米エネルギー情報局(EIA)によると、4月2週の米原油在庫(戦略備蓄除く)は5億バレル強と3週間で5千万バレル以上増えた。全米の貯蔵能力は約6億5千万バレルとされ、余地はなくなりつつある。ただ、5月物は極端な値動きをしたものの、1日のうちに世界の原油需給の見方が激変したわけではないと報じられている。

 

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出典:日経新聞4月21日夕刊


いずれプラスの価格にはなるだろうが、この価格によって影響を受けるのはLNGの価格。長期契約のLNGは必ずしも原油価格とは連動していないからだ。相対的に高価格となるLNGの市場が今後どのように動くかにも注目しておく必要がある。

 

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