効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

原油の値段

今日の東京原油スポット市場で、アジアの指標原油である中東産ドバイが続落して、2009年2月渡しが午前の時点で1.55ドル安の1バレル39.0ドルという2005年2月以来、3年10ヶ月ぶりに40ドルを割ったと夕刊に出ている。また、ニューヨーク・マーカンタイル取引祖でも原油先物相場は5日続落、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の1月ものが前日比3.12ドル安の1バレル43.67ドルで取引を終えたという。
これだけ原油価格が安くなると、中東諸国は原油の生産を絞って価格を維持しようとするのは当然だろう。しかし、投機的に上がっていた価格だから、まだその反動で下がる可能性がある。一方、原油の収入を失う産油国では、財政の収支バランスが取れなくなって、財政赤字に陥るところも出てくるだろう。中東からの投資を期待していたプロジェクトも全部止まるに違いない。さらには、油田の開発もこの値段では着手される筈がなく、中長期的には不足するのは明らかな原油が、将来大幅な高値を生む市場環境になりつつある。現在世界を覆っている金融危機の影響を増幅することになるのではないか。
一方では、ガソリン価格が高いために小型自動車へシフトし始めた車市場が、逆戻りしかねない。地球温暖化防止のためには自動車の利用を抑制し、燃費の悪い大型車を敬遠しようとした社会の趨勢は一時的なものになるかもしれない。近くのガソリンスタンドではリッター110円を切りそうだ。日本でも自動車の走行距離は増えるに違いない。ただ経済環境が悪化しているから、事業用自動車の走行距離は落ちるかもしれない。ただ、地球環境のためにという抑制要因が効かなくなることは確かだろう。
原油価格の高騰で、電気・ガス料金の引き上げが行われることになっているが、今度はそれを引き下げなくてはならなくなる。どのようなサイクルで料金設定が行われるかすら判断しにくい。全てが不安定な世界に入り込んでしまったようだ。