今日付の電気新聞が一面に出した記事のメール用にまとめたのを丸写したのだが、「NTT、東京電力ホールディングス(HD)などは14日、直流による電力供給の実証を千葉市で開始したと発表した。NTTアノードエナジー(東京都千代田区、高間徹社長)が太陽光発電から直流の自営線を引き、中学校に電気を供給する。企業や自治体が敷地外の第三者に対し、自営線で直流供給を行うのは国内初の取り組みとなる。既存の交流による送電と直流の切り替えを行うことも含め、災害時の直流供給の有用性を確認する。」
近くに設置された太陽光発電から、直流を通す送電線を設置して、千葉市の中学校に直流で送電するということだが、その直流をそのまま使えるように中学校の電気機器の部品を直流仕様に変えたのだろうか。NTTは道路などにある電柱に通信線を張っているから、電柱の利用に問題はないだろう。太陽光発電からの電力をDC-DC変換して電圧を適切なレベルにして送るのだろうが、その電圧についての規制はどうなっているのだろうか。送電損失を少なくするためには電圧は高い方が良いが、距離が長くなければ数百ボルトでも構わないだろう。しかし、中学校の電気設備については、多分照明をLEDに変えて、入ってくる直流の電圧を下げて供給するだけでもかなりのコストがかかる。供給事業者側が負担したのだろう。
調べて見ると、NTTアノードエナジーは中期ビジョンを出している。それによると、今後、再生可能エネルギー・蓄電池・EV(電気自動車)関連・ICTといった分散エネルギー基盤に対して、2025年度まで年間1000億円規模で積極的に投資を行っていく計画で、2025年度には約6000億円の売上規模を目指すとのことだ。再エネや蓄電池などの分散エネルギーリソースによるソリューションの提供を通じてコネクテッドバリューチェーンの構築を目指し、太陽光や風力発電、バイオマス発電、地熱発電、水力発電といった再エネ電源を整備し、2025年度に合計450万kWを外部に供給できる体制を構築する。また、全国約7300カ所にあるNTTビルを活用し、希望する顧客向けに直流給電を提供し、NTTビルから約1km以内の近隣に位置するオフィスビル、病院、工場、公共施設などを対象に、電力会社の既存電力網を補完する形で「直流エリアグリッド」を構築するようだ。交流が停電しても、この地域は停電を回避できる。
これを見ると、電気機器メーカーも直流に対応する機器を開発するようになるだろう。太陽光発電と蓄電池を組み合わせて、DC-DC変換をした直流で家庭用電気機器が動く時代に入ることが期待される。そうなると家庭用燃料電池エネファームも、燃料電池が発電する直流の電圧をそれに合うように変換するだけだと損失も少なくなるから、全体のエネルギー効率も少しは高くなるはずだ。直流時代に入るのかもしれない。
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