効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■電力需要パターンの変化

米国からの情報に拠れば、新型コロナウイルスの感染拡大によって、当初電力需要は全体に減るだろうと考えられた。需要の減少はある程度見られたが、もっとも影響を受けたのは電力需要増減のパターンだったという。まず経済活動が低迷したことによって、商工業用の電力需要が減ったし、オフィスに出社する人が減ったために空調需要が減った。ところが、自宅にこもって仕事をする人が増え、外に出ない人が増えたために、家庭用需要が大幅に増えたそうだ。そのため、電力需要の予想が難しくなり、カリフォルニアなどでは盛んに行われているデマンドレスポンスについても商工業用での対応だけでは発電所の稼働を制御するのが難しくなったそうだ。

そこで行われたのが家庭に設置されたスマートメーターを介してのデマンドレスポンス。予め、必要な時には電力会社からの指示に従って空調の設定温度を下げ(冬)たり、電気洗濯機やドライヤーの使用時間帯を変更したりするように契約してある家庭が既に多いようだ。今回の需要予測の難しさに則して、電力会社は家庭に向けて電力消費を抑制する信号を送り、それに対応してくれた需要家には一種の礼金を出すことを始めている。それが非常に有効に機能したお陰で、発電設備の稼働を需要に対応して実行することができ、広域停電を起こすことを回避できたようだ。

日本ではまだ、家庭用の需要家に対するデマンドレスポンス契約をしている数は限られているはずだ。だが、この寒波の襲来によって、発電容量が不足する可能性もでたのだから、家庭用需要家に対しても需要制御ができるようなシステム作りを始める必要があるだろう。ただ、米国と事情が違うのが、発電用燃料LNGの調達に余裕がなくなっているのと、稼働できない発電所を多く抱えていることだろう。報道では、故障で停止していた石炭火力を、重油を使って稼働させることまでして需要に対応したということだ。ボイラー燃料を切り替えられる方式になっていたのだが、それだけの量の重油を貯蔵していたと言うことには驚かされた。

日本もやみくもに節電を依頼するのではなく、スマートメーター経由のデマンドレスポンス体制を拡充する必要性が高まっているのではなかろうか。

 

 

 

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