効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

直流400ボルト用コンセント

データセンターの給電で、交流で系統から受電した電力を直流に変換した後は、蓄電池を介してセンター内の電力供給を直流で行うことによって、変換ロスを大幅に低減できる方式が今では標準化されつつある。この場合、データセンターのサーバーだけでなく、照明、空調システムにも直流が供給される。これらに供給される直流電圧は400ボルトだとは聞いていたが、照明などは4〜50ボルトの直流に降圧して供給されているはず。交流に比べて直流の方が送電・給電のロスが少ないのだが、回路開放時や遮断時のアーク消弧、作業・施工時の極性誤り、感電防止といった課題があって、一般的なビルなどにはまだ普及していない。だが、直流電源に負荷機器を接続できる直流400ボルト用コンセントが最近日本で開発、実用化されたという。これまで専門家に尋ねても、直流はコンセントやスイッチが、交流用に比べて安全性の問題があって一般的利用には問題が大きいということだった。しかし、安全に接続し、切り離しができるようになったとすれば、商用ビルなどにも直流供給が標準的なものになるだろう。高層ビルなどでは、各フロアーに電力を送る電線の総延長距離も大きいから、これが直流化することによって実現する送電ロスの低減効果は大きい。ただ、負荷側に接続される一般機器がまだ全て交流を利用することを前提にしているため、ここを直流受電できるようにした機器が開発されなければならない。400ボルト用コンセントができたのなら、直流電圧が低い回路用のコンセントの商品化も間近かもしれない。一般住宅にまで広く直流を使えるようになるのにはまだ時間がかかるかもしれないが、建物に取り付けられる太陽光発電の普及によって、この時間が短縮されるかもしれない。