効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■都市ガス由来のCO2フリー水素

「都市ガス由来のCO2フリー水素」という表題の報道記事を見て驚いた。都市ガスはメタンが主成分だから、それと空気中の酸素と結合させて水素を作るのは燃料電池では通常行われている。だが、その化学反応の後に残るのはCO2だ。地球温暖化ガスを必ず排出するはずなのに、どうしてCO2フリー水素が出来るのかと思ったのだ。記事の出だしで、東邦ガスは12月24日、国内で初めて、地産再エネを活用した都市ガス由来のCO2フリー水素も供給が可能な「豊田豊水素ステーション」(愛知県豊田市)を開所したと発表した。同月25日から営業を開始した。とあるのを見てのことだった。

それに続く記事で、同ステーションで供給できるCO2フリー水素は、水素製造時に排出される温室効果ガスを地域のグリーン電力証書と中部産Jクレジット(再エネ)で相殺したもので、グリーン電力証書豊田市藤岡南中学校の太陽光発電由来。というのを見てそのからくりが分かった。同事業は、日本水素ステーションネットワーク合同会(東京都千代田区)との共同事業として整備したもので、経産省燃料電池自動車の普及促進に向けた水素ステーション整備事業費補助金」と愛知県「愛知県水素ステーション整備費補助金」を活用したということだ。

グリーン電力証書で相殺するのはどこかいかさまな感じがする。地域に十分な発電容量のある再エネがあるのなら、それで水を電気分解するのが正当な方式だろう。都市ガス事業者として、ガスの販売と水素を結びつける苦肉の策だが、この量を増やすのはクレジットの入手との関係で長続きさせることは無理だろう。水の電気分解コストがまだ下がらないこともあるが、電気分解で作った水素と、生物由来の炭素からメタンを作るメタネーションに取り組むのが都市ガス事業者としての正道だと思う。

クレジットは消費した電力が発電時に出すCO2と相殺するのが本来で、都市ガスの改質装置を駆動する電力に対しての相殺なら分かるが、その結果出たCO2もゼロと見なすのは誤魔化しのような気がしてならない。自分の理解が間違っているのかも知れないが。

 

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