効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■JR東日本、2050年度のCO2排出量「ゼロ」に

 JR東日本が5圧12日に、2050年度のCO2排出量「ゼロ」にするという極めて意欲的な事業目標を公表している。標題は「ゼロカーボン・チャレンジ2050」。将来にわたり鉄道の環境優位性の向上を図るとともに、目標達成に向けた取り組みを通じ、脱炭素社会の実現に貢献するとしている。目標達成に向けて、「つくる~送る・ためる~使う」までのエネルギーネットワークの、すべてのフェイズで具体的な取組みを進めていく。「つくる」では、再生可能エネルギーの開発を推進し、発電された電気を「非化石証書」を活用した再エネ由来のFIT電気として、東北エリアの駅や電車に供給することで、2030年度までに東北エリアにおけるCO2排出量ゼロを目指す。「送る・ためる」では、回生電力貯蔵装置や水素貯蔵供給システムなどによりエネルギーの有効利用を進めていく。「使う」では、車両や駅・オフィスの省エネ化、燃料電池車や燃料電池バスなど水素の利活用、品川エリアでの先進的な環境都市づくりなどに取り組んでいく。また、2021年度より、ハイブリッド車両(燃料電池)試験車両を用いた実証実験を鶴見線等で開始する。定置式燃料電池を活用し災害時に地域へ電源を供給するサービスなども検討していく、という壮大な目標だ。

 現在JR東日本グループでは、秋田県の3つの風力発電所(合計14.5MW)と福島県のメガソーラー(30MW)のほか、車両基地や駅舎等で累計約15MWの太陽光発電システムを稼働中だ。そのほか、風力発電太陽光発電で、発電規模合計約363MWを想定した調査・開発を進めている。また、開発可能性調査では風力での700MW規模に加え、地熱調査を実施し可能性を探っている。あまり知られていないが、JR東日本は昔から自前の発電所を持っていて、発電事業者でもある。再エネ発電所の建設利用に違和感はない。2050年度までにJR東日本の鉄道事業で使用するエネルギーのうち約30~40%を賄える再エネの開発を目指す。なお、自営水力発電所を加えると、再エネの割合は約50~60%となるという。

 また、高輪ゲートウェイ駅に隣接する用地を利用した水素ステーションを開設。また将来的な品川エリアでのオンデマンドモビリティ等への利用を見据え、燃料電池バスを導入する。当面は、浜松町駅周辺エリアの利便性向上のため、エリア内の循環バスとしての運行を検討している。定置式燃料電池については、福島県内の駅に設置し、CO2フリー水素により発電した電気を駅のサービス電源として活用することを検討している。

 これをきっかけにして、他のJR各社も同じ方向を目指してほしいものだ。このような動きが私鉄にあまり見かけないのだが、西武鉄道とか近鉄など事業領域が広い交通事業者も、競ってCO2削減計画を出すようになれば、日本の地球環境対応に大きく貢献することができるはずだ。SDGsの交通事業版となってほしい。

 

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