効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■グリーン水素の大量生産がスコットランドで

英国の新聞Guardianからのメール情報で知ったのだが、スコットランドのScottish Powerが、新設する大規模な陸上風力と太陽光発電からの電力を利用して水を電気分解し、大量の水素を製造するプロジェクトに着手したという。Scottish Powerは伝統的に新しいものに手を着ける電力事業だが、今回のプロジェクトは、生産される水素の需要がどれほどあるかはっきりしない段階で実施するのだから、成算ありとしてのものだろうが、水素の流通など解決すべき課題が幾つも出てくるだろう。製造する水素のコストも、水素製造設備のコストが大きく下がったとは聞いていないから、かなり先取りしたと言えるかも知れない。日本ではまだ、福島県浪江町で国が実証試験をしている段階だ。

記事によれば、この水素は、水素燃料電池で走るバス、フェリー、さらには列車の燃料として供給するということだが、水素を販売する対象が、まだ、社会システムの中に組み込まれていないのだから、事業として成り立つかどうかは不確かだろう。ただ、再エネ電力自体は、同社が電力として当面そのまま供給することもできるから、一応事業としての成算はあるとしての着手だとは言える。新規の再エネ設備はグラスゴーに建設される。

水素の供給対象が移動体だから、その供給システムもこれから確立しなければならない。高圧水素ガスとしてローリーで運ぶとすれば、既存の化学産業が使っている流通経路を利用することはできる。しかし、場合によっては、新規に水素パイプラインを建設することも考えているようだ。大規模蓄電池も設置されるようだから、電力として供給する部分と、水素製造に使われる電力とをうまく組み合わせているらしい。このプロジェクトが稼働を始めるのが2022年だというから、供給対象を組み合わせる時間は十分に残されているとは言え、安定した水素の供給ができる需要を確保することが確実にできる保証はない。だが、これがうまく動き出すと、世界の水素供給モデルになる可能性はある。失敗モデルにならないことを願っている。

 

 

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