このところ規模の大きいバイオマス発電のプロジェクトが次々と報じられている。バイオマス発電は燃料の安定供給が課題なのだが、椰子殻のような海外から輸入するものが利用されることが多い。これを再生可能エネルギーと呼ぶには、椰子殻などの処理がどのように行われているか、自然を破壊していないか、などを確認する必要がある。
その代表的なものが最近公表されている。伊藤忠商事が大阪ガスや三井E&Sエンジニアリングと組み千葉県内に建設したバイオマス発電所が17日、稼働を始めた。出力は約5万キロワットと、100%木質バイオマスを燃料とするものとしては国内有数の大型設備となる。新型コロナウイルス禍や大型台風などに見舞われたものの、当初の予定から大きく遅延せず稼働にこぎ着けた。世界的な脱炭素の流れに対応する。
千葉県市原市にある三井E&Sホールディングス(HD)の千葉事業所内に建設した。伊藤忠がバイオマス発電の運営に参加するのは今回が初めて。燃料となる木質ペレットやパームヤシ殻はベトナムやインドネシアから調達し、一般家庭12万世帯分に相当する年間3.5億キロワット時を発電する。総事業費は約280億円。輸入には船を使うから、そこからのCO2排出も考慮しておかなければならない。椰子殻などの原料が、これだけの規模の発電を継続できるだけの安定供給できるのだろうか。
別のプロジェクトは、伊藤忠商事と日立造船はアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで世界最大級のごみ焼却発電20万キロワットを受注したというもの。ドバイの家庭から出る一般ごみを燃やし、その余剰熱で発電もする。総事業費は約1200億円。2024年に稼働する予定で35年間の運営も担う。ごみ発電は日本や欧州で盛んだが中東では前例が少ない。現地では環境対応のため再生可能エネルギーの導入が進む。その新規需要を取り込むとされている。だが、家庭からの一般ゴミを燃料として使い、それを再生可能エネルギーと言えるのかは大いに疑問がある。生ゴミのメタン発酵のガス利用は再生可能エネルギー発電と言えるが、一般ゴミには大量のプラズチックが含まれているはず。その殆どは石油からできた素材でできているから、地球温暖化を促進するものとなる。1日あたり約6000トンのごみを処理でき、年間処理量はドバイ全体から出るごみの半数に相当する約190万トンにおよぶと言うから、ゴミの成分をよく調べる必要がある
再エネブームへの便乗プロジェクトが拡大しないように気を付けなければならないと思っている。
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