効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■北海道電力がバイナリー発電を

北海道電力は北海道森町に地熱発電所の余剰熱を利用する「バイナリー発電所」を新設すると今日報じられた。最大出力は1,780キロワットで、投資額は数十億円を見込む。2022年に着工し、23年度の稼働を目指す。森地熱発電所(森町、2.5万キロワット)では従来、地下から取り出した熱水を発電に利用した後に地下に戻していたが、これを新設する発電所に回してバイナリー発電で発電させてから地下に戻す。北電ではこれが初めてのようだが、九州電力地熱発電でも利用されている。九州の山川地熱発電所(3万kW)に設置されたバイナリー発電は4,990kWの出力だ。

バイナリー発電地熱発電方式の一つで水より沸点の低い液体を加熱し、液体が沸騰した蒸気でタービンを回して発電する。蒸気は外に排気されるのではなく、閉回路の中で大気に冷やされて元の液体に戻り、再度加熱されるサイクルとなる。この液体は沸点が36℃のペンタンなどが使われ、高温の地熱で水を沸騰させて蒸気タービン発電をした後に排出されるまだ高温の地下水で加熱することで沸騰させる。地下からの熱水はその後また地下に戻される。高温の泉源を持つ温泉などでも利用されているが、その場合の規模は小さく数十キロワット前後のものが多い。

バイナリー発電は地熱だけではなく、高温の排気を出しているボイラーなどでも利用することが可能だが、コストが引き合うかどうかが課題となる。

地熱は再生可能エネルギー炭酸ガスを排出しない発電方式で、かつ、極めて安定した発電ができるところが、風力や太陽光発電よりすぐれている。日本の地熱エネルギー潜在量は、アメリカ、インドネシアに次ぐ規模だが、開発量は多くないのが現状。2050年にカーボンニュートラルを実現するには、地熱を取り出す場所を増やすことが重要だろう。地下に溜まったマグマの熱を探りあてることは必ずしも容易なことではないし、コストもかかるのが課題だが、重要な再エネとして注目度は高くなるだろう。

 

 

 

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