効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ソフトバンクと再エネ

ソフトバンクグループのエネルギー事業、SBエナジーは、全国各地に大規模な太陽光発電の設置を進めてきた。これに対して、金儲け主義という批判も寄せられてきたが、FIT(固定価格買取制度)をフルに利用することが、このような批判を受けることは妥当ではなかろう。利益を上げる機会を早く掴むソフトバンクの事業姿勢が、発揮されすぎたのかも知れないが、もっと先を見た再エネ拡充の経営姿勢があるように思う。逆に、固定価格買取制度の制度設計に問題があったために早期に着手した企業に大きな利益が出たのだから、制度自体の内容を変更する必要がある。これは現在進行中で、売電価格の競争入札も行われるようになるから、これにSBエナジーがどう対応するかを見守るべきだろう。このSBエナジーは、6月に島根県で初めて風力発電所の運転も始めた。計画中を含めるとソフトバンクグループ全体の再生エネの発電能力は約50万キロワットで、約20万世帯へ供給できる。そして、新たに木質燃料などを使うバイオマス(生物資源)発電所を建設する計画で、2019年ごろの稼働をめざして建設地の検討に入っている。4月の電力小売り全面自由化を受けて、携帯電話と電力のセット割引を始めていて、すでに取り組んでいる太陽光や風力に加えて再生可能エネルギーの種類を増やし、環境意識の高い顧客などを取り込む。和歌山県御坊市などを候補地として調査を始めており、来年にも建設に着手する計画だと報じられている。バイオマス発電は不規則な出力変動をしない電源だから、燃料を全て国内で調達するとすれば、その全体システムはこれからのバイオマス発電の方向を決めるものとなるかも知れない。