効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■次世代太陽電池「ペロブスカイト」

今日の日経で報じられたものだが、ペロブスカイト方式の太陽光発電が変換効率28%を達成――。11月に発表した東京大学の瀬川浩司教授らの研究成果が注目を集めているという。この成果が使える次世代の太陽電池「ペロブスカイト太陽電池(PSC)」への注目が高まっている。従来の太陽電池のほとんどは発電部にシリコンを使うが、PSCはペロブスカイトという結晶構造の材料を発電部にする。印刷技術で簡単に作れて折り曲げることも可能で、製造コストがシリコン製の半分以下になると期待されている。

PSCの変換効率は実験室レベルで二十数%程度だったが、瀬川教授らは銅やインジウムなどの発電部と組み合わせた「多接合型」にして大幅に高めた。調整すれば同30%超も可能だという。瀬川教授は「将来はシリコン製の太陽光パネルを全てPSCで置き換えたい」と意気込むと報じている。現時点でシリコン方式では22%程が最大発電効率の数字のようだ。実用化への課題の一つは電池の大型化だ。PSCは数平方センチメートル以下という小さな電池では高い変換効率を示すが、大型になると不純物が混入したり、溶液を均一に塗れなかったりするため効率が大幅に下がる。

耐久性も課題だとしている。熱や湿気で劣化し、せいぜい数カ月しかもたない。沖縄科学技術大学院大学のヤビン・チー教授らは光を2000時間受けても14%しか変換効率が落ちない電池を開発した。特殊な高分子を混ぜて劣化を防いだ。まだ実験室レベルだが今後、大型の電池で試す考えだ。

いずれにしろ、曲げに強い太陽光発電パネルが実用化されると、それが透明であれば、建物の壁面に取り付けることも可能になる。時間はかかるかも知れないが、建物を分散電源に変化させることができる。日本の技術でこれが可能になれば、人口密度が高い日本に適した太陽光発電方式になると期待できる。

これを調べている過程で、NTTアドバンステクノロジは2020年5月、無色透明型光発電素子「SQPV(Solar Quartz Photovoltaic)」技術を使用して製造した高機能ガラス製品の販売において、inQsと日本国内独占販売契約を締結したと発表したという記事にも遭遇した。QPVは紫外光と赤外光を吸収し発電する技術。可視光は透過するため一般のガラスが使える全ての用途において、遮熱と発電という機能を付加できるという。

これからの技術開発がどのような方向に向かうのか、注視する必要がありそうだ。

 

 

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