太陽電池と言えば、平たいパネルであるのが常識だろう。それが次第に窓、壁などに貼り付けたり、窓など自体が発電する時代に入りつつある。その一つがフィルム状のペロブスカイトがハウステンボスで実用されるという記事を読んで、ここが太陽光発電で水素を作り、それで燃料電池を駆動する設備を導入したことを思い出した。これを見にやってくる人も案外多いのではないだろうか。「ペロブスカイト」と呼ぶ結晶構造を持つ電池で、もともとは日本発の技術。紙に印刷するように薄くつくれて、割れないので様々な形の電池になる。海外の研究で変換効率が急速に上がっているということだ。壁や窓に取り付ける太陽光発電は日本でも各地で実証試験がされているが、それがここまで来たかという感が深い。2018年7月に開業予定の変なホテルの第3棟に採用することを決めたということだが、フィルムは透明でなく網目状で、自在に曲がる特長を生かして、まずは電池でオブジェをつくり、スマホを置けば、充電できるような形でアピールする計画だという。ホテルの壁面がこのようなものに利用できれば、これからコストが下がれば急速に普及するかも知れない。水洗いだけでメンテができるのかどうか、なども調べてみたい。ペロブスカイト太陽電池は、国内では東大を中心にパナソニック、東芝、積水化学工業、アイシン精機、富士フイルム、早大などがオールジャパン体制で研究開発していると報じられている。シリコン系太陽電池と積層するタンデム型にすることで、変換効率がさらに上がるとみられているから将来が楽しみだ。