効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

プロブスカイト構造の太陽光発電と昆虫の目

シリコンを使った太陽光発電が主流になっているが、これを上回る変換効率を出す素材であるプロブスカイトが2006年頃に日本で開発されている。現在では、今実用化されているシリコン系、化合物系が出している15%クラスの効率を上回る20%以上を出しているそうだ。だが、この微細な食塩結晶のような素材の課題は、もろいために温度や圧力変化によって壊れてしまうところにあるらしい。それをこのほど、スタンフォード大学の研究陣がその問題を解決する技術を開発したと報じられている。そのヒントは蠅などの昆虫が持つ目の構造にあった。昆虫の目は、極めて細長い六角形の構造の内側の空間に光を感じるものが詰まっていて、それが沢山集まって目になっているらしい。これと同じ構造を作って、その細長い管の中に太陽光で発電するプロブスカイトの粉末を充填して、それを昆虫の目のように束ねてやると、少なくとも10年は変換効率が落ちることなく発電を続けることが出来る発電素子ができたという。その六角構造を作るのもエポキシ系の樹脂が素材であるためコストがかからず、現在の太陽光発電素子の製造コストをかなり下回るという。しかも既存のものと異なった太陽光周波数で発電するために、既存のものと組み合わせると発電量も増える可能性もあるという。このような技術開発によって太陽光発電の発電コストが今後ますます下がることは確かなようだし、その基本技術が日本で開発されたということも嬉しいことだ。