効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■日本の燃料電池

エネルギーと気候変動をテーマにして、ウエブで論考を掲載しているEnergyShiftからの依頼に応えて書いた「インドに燃料電池駆動の列車が走る日」が昨日アップされた。EnergyShift(エナジーシフト/エナシフ) (energy-shift.com)で読んで貰える。この記事にも書いているが、燃料電池駆動の列車の研究は、世界的に見てもかなり早い段階から日本の鉄道総研で着手されていた。このブログでも何回か書いているが、燃料電池自動車は世界に先駆けて開発したのに、列車では実用化されなかった。燃料電池発電についても、家庭用のエネファームは世界のトップを切って実用化されたにも拘わらず、大型の燃料電池の開発は米国に先を越されている。家庭用燃料電池発電機エネファームも、パナソニック東芝が開発したが、東芝は脱落し、水を電気分解した水素の利用に燃料電池を使う方向に事業転換している。

今年になってJR東日本トヨタ自動車燃料電池駆動の列車を開発する方向での協定を結んだのだが、この成果が出るのには少なくとも2~3年はかかるだろう。だが、掲載記事にも書いたが、2018年9月からドイツで燃料電池列車が路線運行を始めているから、それに遙かに遅れることになる。水素利用に向けた国の政策の違いからだろう。水素の原料が化石燃料からであっても、走行中に排出するのは水蒸気だけだから、ディーゼル列車や機関車と比較すると、地域環境改善への貢献度は極めて大きいはずだ。

日本のエネルギー政策からすると、炭酸ガスを出さない原発の電力を使って水素を作るなどと言い出しかねないが、そのような方向には向かってほしくない。水の電気分解技術は確立されているし、現に東芝太陽光発電で水を電気分解して燃料電池を作動させる商品を市販しているのだから、燃料電池列車の開発はできるはずだ。トヨタ自動車はドイツの列車で使われている固体高分子電解質型の燃料電池の技術を自社開発しているのだから、自動車だけでなくモビリティ用に向けた燃料電池の利用を主たる事業に育ててほしい。カナダのバラード社が自社の燃料電池を中国のバスや路面電車に売り込んで成功しているように。

 

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