少し前に、米国の空港がマイクログリッド化するということを書いたが、今度は米国の港がマイクログリッド化すると報じられている。その最初の港は、サンディエゴ港。環境対応に向けて大きく舵を切り、EDF Renewables Distribution Systems社に270万ドルでマイクログリッドシステムを発注した。米国で最初のマイクログリッドシステムを持つ港になるそうだ。
これはサンディエゴの環境対応アクションプランの重要プロジェクトと位置づけられており、この成果は全米の港に伝搬すると期待されている。環境対応全体には960万ドルが投じられるが、その内490万ドルは、カリフォルニア州のエネルギー委員会からの資金投入になっている。ここでのマイクログリッドは2021年末には完成するようだが、そのシステムの中で重要項目として上げられているのが、サイバーセキュリティ。それはこの港には軍港の機能もあるからだろう。いざというときには軍事基地としてタンクの輸送をしなければならず、米国の軍事戦略基地の一つになっている。商用だけの港であれば、これほど早期にマイクログリッドを導入することはなかっただろう。
港にある倉庫建物の上に太陽光発電を設置し、2,400kWh規模の蓄電池が併設される。マイクログリッドは、地下配線で供給される電力を制御し、保安施設とゲートの照明を途絶えないように機能する。EDFは蓄電部分だけを担当し、太陽光発電についてはどこか他社に発注されるようだ。港湾施設の地下には、近くの空港に向けて圧送するジェット機用の燃料を保管しており、このポンプの電力を常時確保することが必要なのだ。
このシステム構築には、カリフォルニア大学サンディエゴ校も研究に協力している。完成してからの姿をチェックすれば、日本の港湾施設にマイクログリッドを導入する参考になるだろう。
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