効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■フライホイール蓄電システム

フライホイール蓄電システムは、装置内部の円盤(フライホイール)を電力で回転させることで、電力を運動エネルギーとして蓄え(充電)、必要に応じて運動エネルギーを再び電力に変換(放電)する機械式蓄電システムだ。これは、リチウムイオン電池や鉛電池などの化学反応を利用した蓄電システムに比べ長寿命で充放電が高速な蓄電装置である。米国などでは大規模なものが送電系統に設置されているが、日本ではこの方式の設備の系統設置を聞かなかった。何か技術的、あるいは、コスト上の課題があるのかと思っていたが、このほど、日本工営(東京都千代田区)が8月3日、福島県再生可能エネルギー関連技術実証研究支援事業補助金を活用し、ドイツのSTORNETIC(ストルネティック/ドイツユーリッヒ)と、量産型フライホイール蓄電システム「Flystab」を共同開発したと発表した。

さらに、Flystabとリチウムイオン電池などの蓄電システムを組み合わせたハイブリッド蓄電システムを開発し、その実用性の評価として、産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所(FREA)と共同で、模擬マイクログリッド環境による検証を実施した。同社はこのフライホイール蓄電システムに着目し、2018年からSTORNETIC社と共同で開発を進め、今回、小容量から大容量まで幅広い用途に拡張可能な量産型フライホイール蓄電システムの製品化に成功したとのこと。現在主流のリチウムイオン電池や鉛電池などは比較的安価だが、充放電を繰り返すと寿命が短くなるという課題があるといわれている。同社ではこの課題に対応するため、長寿命・高速充放電が特徴のFlystabと一般的な蓄電システムをハイブリッド化した、新たな蓄電システムを開発した。また、ハイブリッド蓄電システムを制御するEMS(エネルギー・マネジメント・システム)を自社開発し、FREAに構築した模擬マイクログリッド環境において、実運用を想定した動作試験を実施した。この試験を通して、周波数変動の短周期部分をFlystabが吸収することで、リチウムイオン電池や鉛電池の充放電電流・回数を大幅に低減できることを検証した。

これまでに開発されてきたフライホイールは、それ単独で高速回転する円盤の利用だけだったが、蓄電池と組み合わせることで双方にメリットを生み出したと言えるだろう。フライホイールを用いた電力系統向けの蓄電システムによる試験は、日本国内ではまだほとんど実施例がないが、欧米では周波数調整市場やマイクログリッドにおいて利用されている。同社は今後、国内をはじめアジア諸国を中心に、Flystab(登録商標)を用いたハイブリッド蓄電システムの優位性を広くPRし、長寿命・高速充放電を必要とする市場への適用に向けて、積極的な事業展開を目指すとしている。

報道記事をほとんど丸写しにしたものだが、フライホイールが日本で広く実用化されれば嬉しいことだ。これには、円盤の回転時の摩擦を防ぐために、軸を磁気浮上させたり、真空中で回転させたりしているはずだが、それ単独ではなく、蓄電池と組み合わせることで特色を生かしたものとして今後系統安定化に貢献することを期待したい。

 

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