効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■空港がマイクログリッドに

 米国のペンシルバニア州ピッツバーグにあるハーツフィールド・ジャクソン国際空港が、必要な電力を自給自足できるマイクログリッドになるということを知った。2017年12月に送電線から電力を受け入れる電気設備に火事が起きて、2つの変電所が大きな損傷を受けたために、11時間の停電となり、空路1,200便が欠航をやむなくされたことから、マイクログリッド化の構想が始まったということだ。これに続いてアトランタでも停電があり、さらには、今年の6月にはロサンゼルス国際空港にも数時間の停電が起きている。この相次ぐ停電を前にして、空港関係者は、広域停電が起きても空港の電力供給が止まらない方策としてマイクログリッドシステムの導入を進めるようになったらしい。

 マイクログリッドは、一つに纏まった電力ネットワークが、その必要とする電力を供給できる電源容量を持っているときに、そのネットワークの電力需給を精密に制御するシステムを持つことによって、外部からの電力供給が止まっても、その電力ネットワークがほぼ正常な機能を維持できるというもので、スマートグリッドの具体的なシステムの一つだ。ピッツバーグ空港は空港のマイクログリッド化の第一号だと受け止められ、この後に続く空港が幾つも米国で出てくるらしい。

 日本でも関空が昨年の9月に台風21号の被害を受けて、長時間の停電に見舞われたが、この原因は、空港の電気設備が浸水で機能しなかったためで、外部からの電力供給に問題はなく、米国の事例とは異なる。しかし、空港を自前の電源で全ての機能が作動するようにすることは、日本でもこれから真剣に検討しなければならないことだろう。空港には、大規模なコージェネレーション(熱電併給)は設置されているだろうし、太陽光発電を設置するスペースは十分にある。大容量の蓄電池を設置し、外部からの電力供給が止まったときに一部の電源が機能しなくなっても、重要なものだけを残して電力供給を止め、空港機能を極力維持できるような制御の必要性は高いだろう。そのような制御システムの導入が可能なまでにマイクログリッドの技術は実用化している。

 同じ方向で検討すべきなのは超高層ビルや公共施設、大規模病院等だろう。今後の展開を注視したいと思う。

 

 

-------------

猫、鳥、犬などをモデルにした手作りアクセサリーのご紹介。

https://minne.com/@plusme