効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■エネルギー資源国の今後

ベトナムLNGを燃料とする大規模発電所が建設されるらしい。炭酸ガス排出量を少しでも削減させるために、他の化石燃料から天然ガスに移行したのだ。これは石油・石炭業界としては、長期的に見て事業性が減っていることを意味する。トランプ大統領が石油石炭産業での雇用維持に向けた施策を行っていたのだが、バイデン新大統領が政権を担当するのが確実になった今、数十年先は別として、天然ガスを豊富に産出するようになった米国が産油国に対して有利になるだろう。ただ、バイデン新大統領が石油石炭産業にどのような施策を打つかが労働問題となる可能性はある。

化石燃料資源の多いオーストラリアも、水素時代に備えた産業転換に向かっている。広大な国土を利用して再生可能エネルギーを増強し、そこからの電力で水素を生産する方向に向かうだろう。中東地域やサブサハラも同様な方向に向かう。そこで微妙になるのが日本のエネルギー事業の方向だ。再生可能エネルギーの比率がまだ少ないことから、当面はLNGだが、次第にグリーン水素の輸入に頼らざるを得ないようになる。それに関連した炭酸ガス回収に関連した技術が、日本のエネルギー資源確保に向けた強力な武器になるかどうか、先がまだ見えていない。マレーシアのペトロナスも水素製造に向けた投資を始めるらしい。

世界でもっとも炭酸ガス排出量が多いのは中国。再生可能エネルギーの利用を増加させる施策を打っているが、追いつきそうにない。再エネ電力が増強されると、それを各地域に送る送電網を強化しなければならない。それに並行して、水素にして搬送する事業も拡大するだろう。その必要資金をどのようにして確保するか、これから中国の輸出先確保策が拡大するだろう。それには商品開発力がなければならないが、これから中国の底力が試される時代になる。

 

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