効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■テスラのEVが一人勝ち

テスラが2日に発表した7~9月のEVの世界販売台数は前年同期比44%増の13万9300台だった。世界の自動車メーカーがコロナ汚染による経済低迷の中で販売が低調である中で、飛び抜けた数字となっている。察するに、コロナ汚染から早期に脱出して経済回復を始めた中国で、直接進出が受け入れられて現地生産しているEVが貢献していると推察されている。最初テスラがEVの商品化を発表したときには、高くて走行距離も短い車がどこまで売れるかと思ったが、性能の向上と、燃焼ガスを排出しないことが広く社会に受け入れられ、多少価格が高くても買いたいと思う消費者が増えたことも貢献しているだろう。

テスラは上海工場の稼働後、中国でのモデル3の小売価格を段階的に引き下げてきた。足元の実質価格は24万9900元(約390万円)からと、一般消費者にも手の届く水準だ。モデル3はテスラの中国販売の9割前後を占めるとみられ、1~6月には中国のEV市場で現地最大手の比亜迪(BYD)からシェア首位を奪う原動力にもなったと報じられている。

新型コロナの感染拡大によって世界の新車市場は大きく傷ついたまま。英LMCオートモーティブによると世界の新車販売台数は4月の前年同月比45%減を底に回復傾向にあるものの、8月も10.3%減と前年割れが続いている。外出を控える消費者も多く、テスラを除く世界の有力ブランドは軒並み販売不振に苦しんでいる。中国ではEVの販売促進策が講じられているようだし、アメリカ国内でもカリフォルニア州など環境規制を強めている地域では、EVだけが受け入れられるようになりそうな状況になっている。

テスラ社を率いるイーロン・マスクがこのEVを発表したときに、ここまでの普及を予想した人はほとんど居なかったのではないか。それを意に介せず、さらに、燃料電池車などが普及するはずはないとまで述べたのだが、その気勢は削がれなかっただけでなく、世界を制覇することが確実になったのかも知れない。日本での販売数は公表されていないが、昨年9月の輸入台数が292台、10月が234台だから、微々たる数字かも知れないが、日本の自動車メーカーは、これに対抗できるEVを商品化しなければ、蹂躙されてしまうかも知れない。

 

 

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