新型コロナウイルスの感染拡大で、スマートフォンや電気自動車(EV)に欠かせないリチウムイオン電池に不足が生じる可能性が出てきたと報じられている。電池の正極材に使うコバルトなど、レアメタルの主要な生産地のアフリカや南米で鉱山の停止や国境封鎖が実施され、供給に懸念が出ているらしい。世界のコバルトの約6割を生産するコンゴ民主共和国。新型コロナの感染拡大でアフリカの各国が国境を封鎖し、生産や流通の停止が深刻化しているようだ。コンゴで採掘されたコバルトは南アフリカから輸出するが、南アフリカの鉱山アナリストによると「ザンビアからの分も含めてトラックがやってこない」状況だという。
同国では3月から大統領令で外出が禁じられ、一時生産は停止。4月に生産を再開したものの、外出抑制などで出荷作業の一部に影響が残っているという。22日には9度目の債務不履行が確定しており、経済状況の悪化も懸念されている。コバルトを使う正極材は電池の中の温度を安定させるのに欠かせないが、スマートフォンやEVの市場拡大でリチウムイオン電池の需要拡大が続く一方、原料の供給源が限られてきた。ただし足元では新型コロナの感染拡大で世界的に経済活動が停滞し、これらレアメタルは荷余り感が出ている。
中国ではEVなど新エネルギー車の4月の新車販売台数が前年同月比27%減の7万台に落ち込んだ。景気の減速で一般的なガソリン車よりも割高なEVの購買意欲が落ちているとの見方が強い。とはいえコロナの新規感染者数はここに来て新興国が先進国を上回っている。供給停滞が長引けば「必要な量が確保できなくなる」との懸念もくすぶっており、自衛に動く企業も出てきたという。また、EV用のリチウムイオン電池の中古市場もまだ育っていないため、再生回収できる数にも制約がある。これからどちらに揺れるかはコロナ次第になってくるかも知れない。
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