効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■IEAからのレポート、Energy Technology Perspectives 2020

IEAからエネルギー技術の将来展望に関するレポートが出されたので早速ダウンロードしてみた。全体で174頁だから読み通すのには時間がかかる。冒頭にある要約にざっと目を通したが、主題はクリーン・エネルギー時代に向けて、Carbon Capture Utilization and Storage(炭素の捕捉、利用、貯蔵)の実現が避けて通れない課題だ、というもの。

世界で拡大する発電と工業部門、交通運輸などで利用・消費される石炭、石油、ガスなどの膨大な量の化石燃料の燃焼から出される炭酸ガスの主成分である炭素をいかに効率的に、しかも、大きなコストを掛けずに捕捉(Capture)し、それを何らかの目的に利用し、利用できないものはどこかに貯留する技術の開発が順調に進まなければ,ネットゼロの実現は難しいという主張だ。いわば常識的な内容ではあるが、トータルで見ると極めて難しい課題に世界は取り組まなければならないことを述べている。

そのためには、まず大量に燃焼排気ガス中にあるカーボンを効率よく捕捉する技術を開発しなければならない。そして、その捕捉したカーボンを何らかの価値あるプロセスに使うことができることが望ましく、その技術が開発されることがネットゼロ社会実現には不可欠だとする。カーボンのリサイクルになるが、再度それが燃焼に使われることになると、いわば堂々巡りになってしまう。少なくともある程度の期間は固定できるような資源に変える必要がある。その後どうしても利用できないカーボンの量は膨大なものになる可能性が高い。それをどこかに埋設しなければならないが、短い間に漏洩するようでは意味がない。長期にカーボンを固定して埋蔵させる技術の開発が強く望まれている。

このプロセスをできるだけ早期に実現させなければ、地球温暖化を抑制することができないということは、必ずしも全ての人が同意しているわけではないが、地球温暖化リスクを下げるために必要なコストとして、技術開発が早急に推進されなくてはならず、国レベルの施策と投資が必要だ、との内容だ。

今の世界では、必要性があることは理解し、同意しても,具体的な技術が開発されていない。これに向かって今後膨大な社会的エネルギーが投入されなければならない、ということだ。

 

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