効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■CO2からメタノール

脱炭素化が気候変動対応として進展している。燃焼ガスからCO2を取り去るCarbon Captureの実用化が進むと、貯蔵するCあるいはCO2を再利用することを検討するのは必然となる。最近これに関連した技術開発が報じられるようになっているが、今日報じられた記事では、島根大学住友化学は9月10日、二酸化炭素からメタノールを実用化に見合うレベルで高効率に合成する共同研究を推進すると発表したということだ。

報道の引き写しだが、両者は高効率なメタノールの合成反応プロセスを完成させ、二酸化炭素と使用済プラスチックを資源とした炭素循環を確立し、持続可能な社会の構築に貢献していこうとしている。二酸化炭素を原料としたメタノール合成の実用化に向けては、メタノールの収率が低いことや、反応で副生する水蒸気による触媒劣化などが課題となっている。近年、この課題を克服する技術として、島根大学総合理工学部の小俣光司教授が開発する反応収率を向上させるプロセス技術が注目を集めているという。今回開始される共同研究では、同大学が引き続き触媒とプロセスの基礎技術の開発を進め、住友化学がその基礎技術をもとに触媒とプロセスの工業化に取り組み、高効率なメタノールの合成反応の確立を目指す。

メタノールは、エチレンやプロピレンといった低級オレフィンを製造する原料として広く使用されているほか、合成樹脂や接着剤、薬品、塗料など化学品の基礎原料でもある。世界で年間約8,000万トンの需要があり、現在は、化石資源である天然ガスや石炭ガスを主原料に、高温高圧下で複数の製造工程を経て生産されている。メタノールは、ごみの焼却処理により発生する二酸化炭素再生可能エネルギー由来の水素を原料として合成すれば、温室効果ガス排出量の削減と有用な工業製品の生産を同時に達成することができる。

ここで知りたいのは、この高温高圧状態がどのようにして得られるかということだ。合成反応自体から発生するのであれば良いが、外部から加熱・加圧をしなければならないとすると、それに必要なエネルギー源が何かによっては、全体のシステムとしてCO2の排出量を減らすことができるかどうかが問われることになる。触媒の製造からメタノール製造までのシステムについて、発生・消費するエネルギーのフローが課題になるだろう。

 

 

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