効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

CO2から樹脂合成

化石燃料を燃やすと、その成分である炭素が空気中の酸素と結合してCO2ができる。燃料の種類によって発生する量はかなり差があるが、出来ることは間違いない。そこで、燃焼後の排ガス中のCO2を捕捉(Carbon Capture)して、地中深くに捨てる(Storage)技術開発が進められているが、まだ完全なものはできていないし、そのプロセスにもエネルギーが消費されるし、コストも上がる。だが、今日報じられたように、地上に注ぐ太陽光を使い、二酸化炭素(CO2)と水から有機物を生み出す「人工光合成」の研究開発が実用に近くなったとすれば、地球温暖化太陽策として大きな貢献が出来る。三菱ケミカル富士フイルムなど6社・団体でつくる企業連合の「人工光合成化学プロセス技術研究組合」と、新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)は8月、新たな光触媒の開発に成功したと発表している。人工的に光合成を作り出すには、(1)太陽光(可視光)を使う(2)水を原料にする(3)光エネルギーを化学エネルギーに変え、エネルギー物質を生成する――という3つの要素を同時にかなえる必要がある。ここで鍵となる技術が光合成の触媒。植物の光合成を化学的に行おうというものだ。日本の研究チームはこのうち、水から水素を生成させる光触媒として、太陽光発電材料にも使われるCIGSに着目した。銅やインジウムガリウムなどを原料とし、電流の変化を見て元素の構成比率を調整したところ、CIGSと接する半導体との間で生じる抵抗が減り、電流が流れやすくなった。触媒を満たす電解液の導電性を高めるなど工夫した結果、光触媒全体の変換効率でみると3.7%となったということだ。これからは、触媒の製造コストを下げるのに力を入れることになる。他の国でも同様な研究は行われているから、実用化、商品化に先んじなければならないが、日本の技術開発は世界の先頭をきっているとのことで、プロジェクトには21年度までの10年間で総額145億円を投じ、20年代に民間主導の開発に移る目標を建てているそうだ。開発競争に負けないように頑張ってほしい。