台風10号が九州、四国地方を襲っている。これを書いている午後5時頃、住んでいる奈良市では、豪雨注意報は出ているが、雨が降り出したくらいで風はほとんどない。だが、NHKが各地に状況を放映しているのを見ると、まだ本格的に上陸した段階でもないのに、各地で風水害、特に風害が起きている。これまでの想定を超えた規模の台風であるだけに、避難するにしても、避難先が安全だとは言い切れないだろう。
テレビの画像を見ているときに、NHKが設置したカメラの画像が出ていたのが、突然ひっくり返った。アナウンサーもすぐには状況の把握ができなかったようだが、結局は、NHKが設置したカメラが設置場所から外れてぶら下がったようだ。録画ではなく、リアルの映像のようだったが、これほどの強風だということを如実に示したものだった。九州南部、四国西部地域では、軒並みに電柱が倒れている。これから建物への被害が増えることは確実。これから夜を迎えて、避難所に逃げた人々も、停電の中で不安な一夜をすごさなければならないのだろう。気の毒なことだ。
非常用自家発電設備を持つ病院なども、発電機が順調に立ち上がってくれれば良いが、定期的に作動の確認をしていなければ、すぐに発電させることができないかもしれない。もし高容量の蓄電池が設置してあれば、余程のことがない限り、僅かでも電力供給はできるはず。ただ、送配電系統からの切り離しをして、蓄電池の能力以下の設備しか動かせないから、おそらく照明程度にしか使えないだろう。
台風が通過した後暫くすると、停電が長引く地域も出てくる可能性が高い。その結果、停電への備えとして、家庭用規模の蓄電池の取り付け需要が急増することも考えられる。ローソクの燈だけで満足する社会ではなくなっている。非常用発電機が起動しなかったところでも、蓄電池に切り替えるところも出るだろう。電力の需要端での供給確保に対する具体的な動きがどれほどになるか、それ次第では、電力供給網の末端の構造が大きく変わる可能性もある。
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