香港で、香港国家安全維持法が6月30日に発効した。それがどのように適用されるかを見ていたら、香港民主化に向けて活動している人達が次々に逮捕されている。この10日に逮捕された周庭さんは、今日保釈されたようだが、諸外国の非難を一時的に逃れるためのもののように見える。彼女はこの法律発効前に所属していた民主活動団体を脱退していたと報じられているが、今回の逮捕はその前にしたことに対して遡及的にこの法律を適用したものだと言われている。保釈された周庭さんは、何を理由にして逮捕されたか示されていないと述べている。
中国共産党は、あまり事を荒立てると、香港の金融市場から資本が外に逃げてしまう可能性があることを心配しているはずだから、活動家の影響力が拡がらない程度の制約をするだけに留める可能性もある。とは言え、中国の香港への政治的影響力が格段に高くなれば、その次に来るのは台湾の併合だと心配されていると理解している。
家内から聞いたことだが、日本語でもインタビューを受けている周庭さんは、日本に住んだことも留学したこともなく、全くの独学であの流ちょうな日本語を話すことができるようになったそうだ。彼女の滑らかな日本語を聞くと、日本の生活経験があるために、逆に香港の現状変化に敏感に反応したのだと思っていたのだが。本当に驚きだ。
香港政府の動きは絶えず注目しておく必要がある。それへの日本の対応が中国を刺激しすぎると、日本の領海近くまで中国の船が頻繁に往来し、日本の巡視船とのトラブルが増えることは確かだからだ。尖閣列島を中国領だ、さらには沖縄も中国領だと主張しだすに違いない。台湾と中国の関係も緊迫するかも知れない。他国には、中国の国内問題だとして、全てを無視するだろう。米国がどう介入しようとするかも日本に影響する。そして、これが日本のエネルギー輸入にも影響するかも知れない。厄介なことが起きたものだ。
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