効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

日本が廃プラスチックで埋まらないように

これまで、廃プラスチックの処理事業を開始しても、廃プラを出す自治体が、中国へ廃プラを輸出する事業者に売る方が高く売れるために、日本国内での廃プラ処理事業が頓挫することが多かったと理解している。どうして国内で処理する事業を育成しないのかと思ったものだが、自治体も財政を考えると高く買ってくれるところに渡すのはやむを得ないことだったのだろう。政府が補助金で縛って輸出できないようにすることも出来たはずだが。その状況が一変することになった。中国が2017年末から廃プラスチックの輸入を停止し、廃プラの輸出業者は破綻に追い込まれ、企業は売り先の見直しを迫られた。廃プラはうまく使えば資源だが、中国が飲み込んでいた分量をすべて再生利用する能力は日本になく、今は埋め立てや焼却に回すしかない。中国は16年、世界が輸出する廃プラの半分強、約730万トンを輸入し、日本からの輸入量は香港経由分を含め約130万トン。日本の廃プラ輸出の8割を超す。プラスチック循環利用協会(東京・中央)によると、16年の日本の廃プラ排出量のうち再生プラスチックや繊維の原料として再利用されたのは23%。割合が高まれば、日本経済にプラスとなる。とはいえ、再処理して何に利用するかを特定しないと、継続する事業として成立しない可能性もある。当面は埋め立て焼却で処理するとしても、これを無資源国日本にとって利用する価値の高いものにするプロセスの開発が必要だろう。