国際海事機関(IMO)は、国際機運での温室効果ガス排出総量を2050年迄に2008年比で半減する目標を掲げている。これへの対応として,日本のCCR(Carbon Capture and Reuse)研究会の会員各社・団体では、水素と二酸化炭素を反応させてメタンにするメタネーション技術を、船舶燃料の低炭素化に活用する構想の実現可能性について業界横断で研究することになった。
具体的には、①国内の製鉄所から排出されるCO2の回収・分離・液化、 ②液化CO2を水素の供給地へ海上輸送、 ③メタネーション技術で合成メタンの生成、④合成メタンを液化し、吐くよう燃料とすることを想定している。実現に向けた技術的課題を洗い出した上で次の活動段階に進むかどうかを判断するということだ。
それぞれに新しい技術を開発する必要があり、コストもそれなりに大きくなることになる。そえを克服して舶用燃料に使用されるまでに、他の新しい舶用燃料に市場を取られてしまうかも知れない。とは言え、重油などの舶用燃料に比較すると大幅にCO2排出量を減らすことができる液化ガス燃料を提供できるようになれば、気候変動対応に貢献することは確かだろう。
だが、この開発は、排出されるCO2の回収技術に眼目があるようだ。最終の目的としている合成メタンの液化したものは、現在広く利用されているLNGと同じものとなるから、船舶でLNGを利用する方向は既に進行しているから、どれほど市場価値があるかが分かりにくい。船舶側ではLNGを使用できるように貯蔵タンクなどの改装をしなければならないから、LNGシフトへのスピードは早くはないと感じている。とはいえ、製鉄や発電などから排出されるCO2の回収技術の確立は世界的に求められているから、何かの形で貢献はできるだろう。
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