効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■植村直己さん率いるエベレスト登山隊が採取の氷河、解析へ

自分が知っている植村直己さんは、冒険家で登山家で、1984年に冬期のマッキンリー(現・デナリ)に世界で初めて単独登頂 、下山中に消息不明となった 。という知識しかなかった。だが、今日の毎日新聞の記述で知ったが,高山の氷河を採取して持ち帰って分析することによって、氷河の成り立ちを知ろうとしていたのだそうだ。その採取を行った学術研究員だった吉田さんが述べているが、吉田さんは80年12月14日、登はん隊にはしごやロープをかけてもらいながら高さ700~800メートルのアイスフォールを登り、採取場所へと到着した。15日から2日間かけ、長い棒状の手動ドリルを回して氷河を掘り、標高6100メートル地点から長さ約9メートル、直径6センチの円柱状の氷の採取に成功。ベースキャンプに戻った。これを世界の果てから日本に、溶けないように搬送するのに苦労したそうだ。今のような冷凍技術がまだ普及していなかったからだ。その途上には熱帯地域もあったから、よく持ち帰ることができたものだと思う。

その資料はすぐには分析されなかった。採取量が少なかったために、当時の分析技術では対応出来ず、分析技術の向上を期待して保存したそうだ。国立極地研究所の低温室の保管されていたのだが、植村さんの死後、その資料の存在は忘れられようとしていた。2014年、吉田さんの元に極地研から一通のメールが届いた。極地研が東京都板橋区から東京都立川市へ移転したのに伴って低温室を拡充し、6000を超える氷や雪などの試料を整理する中で、エベレストの氷河で採取した氷の試料が見つかったという内容だった。吉田さんが手元にあった資料を提供して分析したのが、植村さんの魅了されて登山をしていた竹内さん。

竹内さんが分析した結果、標高6100メートル地点と6400メートル地点では、大きく氷河の構造が異なっていることがわかった。6100メートル地点で採取した氷にはきれいな雪の層が見られ、ほとんど解けていなかったが、6400メートル地点では、融解が激しく、小石や砂を含む層が多く見られた。頂上に近い標高7000~8600メートル付近で起きた雪崩が積もったもので、黒い小石が太陽を吸収して雪を溶かしたとみられる。竹内さんは「これほど大規模な雪崩がこの氷河を作っているということは知られていなかった」と驚く、とこの記事が述べている。

80年代以前にここまで標高が高いところから採取した試料は他にない。氷河を構成する水には、通常の水よりわずかに重い「安定同位体」が存在し、気温が高くなれば、安定同位体の割合が大きくなる。この割合を現在の氷河の分析結果と比較できれば、40年前に比べてどの程度気温が上昇したかを調べることができる。標高が高いところでは温暖化はどのように進むのかを調べられるほか、将来の地球環境を予測するのに重要な手がかりとなる可能性を秘めている。世界からどのように評価されるかが楽しみだ。植村さんも喜んでいるだろう。

 

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