効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■琵琶湖の深呼吸

 今日の奈良新聞の記事が、「琵琶湖“深呼吸せず”」という標題で、滋賀県の琵琶湖で表層と湖底の水が混ざり、酸素が行き渡る「琵琶湖の深呼吸」が2年連続で確認されない異例の事態になっている、と報じている。確か前にこの日記で書いたことがあると思って検索してみたら、昨年の4月11日に類似の内容を述べていた。暖冬で表層の水温が十分下がらなかったことが原因だとしている。昨年は低酸素の湖底で生物の死骸が見つかったことで分かったようだ。びわ湖の「全層循環」は、冬の間に温度が下がった湖面近くの水が沈んで湖底の水と混ざり合い、湖全体の酸素濃度がほぼ同じになる現象で、生態系や水質の維持に必要とされ、通常は毎年1月から3月の間に確認されているものだそうだ。湖底にまで酸素を供給する重要な湖水の動きだと言える。

 滋賀県は、湖北の高島市沖合の観測エリアで、水深90メートルの湖底の酸素濃度が表層と同じ1リットル当たり10ミリグラムほどになると、全層循環が完了したと判断してきた。昨年は湖底の酸素濃度が上がらなかったのだが、今年3月の調査でも、水深80メートル付近までは風などで循環が発生していたが、水深90メートル付近は1リットル当たり8.5~9.3ミリグラムと、表層よりも低かった。酸素濃度が2ミリグラム以下になると、水中生物の生存が難しくなるとされる。昨年夏は最も低い観測地点で1.2ミリグラムになり、ハゼ科の固有種イサザが死んでいるし、魚の餌となるヨコエビが全滅している場所もあったようだ。

 京都大の中野教授は、今年の酸素濃度は昨年より高いとし、「深呼吸まではいかないが、半呼吸くらいはしている」と分析しているとのことだ。ただ、貧酸素状態が続くと湖底の泥に含まれるリンなどの物質が溶け出し、それを餌に植物プランクトンが増殖して「アオコ」が大量発生する怖れがあるとしている。

 地球温暖化がどのように自然に影響を与えるかを教えてくれる情報だが、今年の夏に行われるはずの測定の結果がどのようになるか、油断はできないと思う。この水は大阪の飲料水にもなるのだから、無関心でいることはできない。自分の住む奈良の水は違うが、温暖化によって別の現象がある可能性もある。

 

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