効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■米沢牛のフンによるバイオガス発電

バイオガス発電には、そのバイオ(生物起源物質)が木質系の場合には必ずしも環境保護に対応したものではないものもある。発電規模が大きくなると、それへの燃料供給を継続するためには、常に所要量の燃料を供給しなければならない。間伐材を使うというケースをよく見るが、間伐のテンポと燃料に使用する間伐材の量がほぼ同じか多くなければ、切り出す樹木の量が不足することになり、他から木質燃料を調達しなければならないからだ。悪くすれば、間伐が皆伐になる可能性もある。

それに対して、牛ふんなどを利用してバイオガスを発生させて燃料に利用する場合、元々糞尿の発生量に対応した発電規模を設定するし、牛ふんなどの発生量もほぼ一定量になるため、自然資源の過剰消費が起こらない。

報道によると、東北おひさま発電(山形県長井市)が同県飯豊町に建設していた「ながめやまバイオガス発電所」が完成し、9月から発電を始める。米沢牛などの畜舎からパイプラインで集めたフンを発酵させて発電する。投資額は10億円。年間1億4000万円の売電収入を見込む。

この報道で驚かされたのは、畜舎からパイプラインでフンを集めるというシステムだ。牛舎が限定された狭い地域にあれば、パイプラインも効率的な方式かも知れないが、固形物と液体の混合物を円滑に移動させるのを長期に亘って維持するのは難しいと思っていたからだ。以前に北海道の畜産廃棄物のバイオガス化を調査するのに関与してことがあったが、糞尿を一個所に集めることのコストと手間が大きいのが問題となっていたからだ。バイオガス発生装置と牛舎との距離は大きかったから、パイプライン輸送などは論外だった。

これを克服できたのには、この農場の立地条件が適していたからだろうし、固形物と液体の混合物を安定してパイプライン輸送するポンプなどの技術開発があったのだろう。また、バイオガスが発生した後に出る残渣は、牧草の肥料に利用するなどエネルギーの循環を徹底させると報じられているが、前の調査の経験では、次第に窒素分が蓄積して過剰になり、牧草の生育に障害となる事例もあったから、今回のバイオガス発電については、全体のシステムがバランスのとれたものとして円滑な運営ができるものであってほしい。

 

 

 

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