効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■プラスチック製の注射針

ショッピングで持ち帰り用のプラスチックバッグが有料になった。これが連日のように報道されて、宣伝効果としては大きかったが、それによってプラスチックの消費量が大きく下がったわけではない。単価が数円だから、ゴミ袋として使えるからと敢えてこれを注文する人もいる。プラスチックは殆どが石油系の資源を原料としている。これをゴミにして燃やしてしまえば、石油を燃やしているのと同じで、温暖化ガスの炭酸ガスを排出する。プラスチックの存在感が高まったいま、プラスチックの再利用について啓蒙と技術開発が必要だと思っている。

たまたま知ったことだが、樹脂部品メーカーの一倉製作所(群馬県榛東村)は群馬県と共同で、針の部分までプラスチックで一体成型する注射器を世界で初めて開発している。医療現場では針を廃棄する際に指などに刺してしまう事故が多く、実用化すれば防止につながる。改良を重ねて5年後をめどに発売を目指すということだ。一度使った医療器具は、完全消毒して再利用できなければ廃棄処分になる。それは医療ゴミとして、通常のゴミとは違った取扱をしなければならないが、注射器は使い捨てが殆どのようだ。いま分別処理をして資源としてどの程度再利用されているか知らないが、再資源化するとすれば注射針が金属ゴミとして入っていることが障害になるだろう。

開発した注射器はシリンジ(注射筒)と針が一体化しており、針の部分の内径が0.2ミリメートル、外径が0.4ミリ。皮下注射でよく使われるという「27ゲージ」(外径約0.4ミリ)の針と同じ太さを実現した。刺す際の抵抗を小さくするため、針先に穴を開けずに0.2ミリの細さにし、針に4カ所の穴を開けた。薬剤が体内に入る際の抵抗が4分の1になり、広範囲に行き渡らせられる。針の長さは5ミリ。長さ10ミリの針も作れることを確かめたが、折れにくくすることを優先した。インスリン注射などで行われる皮下注射での用途を想定しているとのことだ。「注射針つきシリンジ」などとして2つの特許を取得。シリンジの様に大きいものと針の様に小さなものを一体化して作るのは難しく、海外でも例がないという。

開発のきっかけは約10年前に医療機器メーカーの関係者から「樹脂で注射針を作れないか」と依頼されたことだった。針刺し事故が多いうえ、廃棄処理の負担が大きいことが背景にあった。注射器を廃棄する際、医療現場では針とシリンジを分けたり再び針にキャップをしたりしがちで、その際に事故が起きやすかった。また、金属製のため針の処分にはコストがかかるという。すべて樹脂製ならまるごと処分できる。

この丸ごとプラスチック製の注射器が、プロスチックの再資源化に直接結びつくわけではないが、医療ゴミの出所ははっきりしているし、何から作られているかも分かっているから、選別して再利用なり、樹脂に戻して製品原料にしやすいはずだ。このような成果をきっかけにして、プラスチックの再利用が少しでも進んでほしいものだ。

 

 

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