効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■日立がABBの事業買収、送配電機器会社が始動

送配電事業分野では並び立つ巨像だと思っていたが、日立製作所が1日、欧州重電大手ABBの送配電システム事業買収に伴う、新会社を設立したと発表したという報道には驚かされた。新会社の名称は「日立ABBパワーグリッド」で日立が80.1%、ABBが19.9%を出資。将来は日立がABBの持ち分を全て取り込むことになっているようだ。

ABBに関心を持ったのは、高圧直流(HVDC)送電事業分野からだった。中国北西部に豊富にある水力発電風力発電の電力を、南東部の北京を始めとする電力大需要地に向けて、長大な送電線を設置する事業を幾つも手がけたが、その延長距離は数千キロに及ぶものだった。この事業によって中国は、距離が長くなると送電損失が高圧交流(HVAC)送電よりも非常に小さいという特質を十分に享受できることになったと理解している。ブラジルにできた巨大な水力発電の電力を2,500kmのHVDCで送る送電線も建設している

ABBは海底設置HVDCの市場でも圧倒的力を持っている。北海や米国沿岸に洋上風力発電設備が次々に設置されているが、その電力を陸地にまで運ぶのには、交流では送電損失が大きすぎるために、イニシャルコストは高いHVDCが殆どとなっている。日立も和歌山と徳島間の海峡を結ぶHVDCの設置を行ったと記憶しているが、両社の英知を活用すれば、今後増大する再生可能電力の利用に大きな貢献をしてくれるものと期待している。

送電だけでなく、需要端への配電についても、これからは地域単位の需給制御も精緻に行う需要が大きくなるから、送配電全体を一元的に組み上げることができる事業が生まれたのだと考えている。その成果がどのような形で具体化するのか、お手並み拝見といいたいところだ。驚くようなプロジェクトが遠からず発表されるのを期待したい。

 

 

 

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