効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

再エネ発電の系統接続送電線建設コスト

経済産業省再生可能エネルギーの普及に向け、送電線の建設を支援することになった。これには太陽光発電も対象になっているようだが、眼目は、地熱発電、小水力発電バイオマス発電などといった、送電系統から離れた設備を系統に接続するのに敷設しなければならない送電線の設置コスト抑制にあるのだろう。送電線を建設する多額の初期投資が事業者の負担になっていたが、経産省は事業者が資金調達する際の利子負担を減らすために、2016年度予算の概算要求で「系統制約整備対策費利子補給金」として6億円を盛り込んだ。利子補給だから大きな促進策とは言えないが、発電事業者にとっては慈雨になるだろう。欧米ではこの接続線の建設コストは送配電事業者が負担することになっている。再エネ設備事業者から提示された電力発電コストを見て、送電線のコストを含めて利益が出る、あるいは、政府の義務への対応ができると思えば買い取るという形になる。日本の場合、再エネ発電事業者は、系統接続コストに加えて、電力会社がそれを受け入れるために系統を再調整するコストも負担しなければならないので、予めそのコストを正確に予測することが難しい。2030年度の望ましい電源構成で、再生エネルギーを全電力量の22〜24%とする方針を達成するためには、現行の固定価格買取制度では不十分な領域に補助策を組み込もうとしているのだろう。