効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■皆既日蝕による送電系統擾乱を克服したインド

昨日の夕刻近く、日本では南部地域で部分日蝕を見ることができた。だがこの時刻は、日本と3時間半の時差があるインドでは丁度12時過ぎ。太陽光がもっとも発電している時間となる。この間書いたように、インドの電力系統を管理する組織は、皆既日蝕によって急激に下がる太陽光発電の発電量と、日蝕が終わると急激に上がる発電量によって起こる送電系統の変動をコントロールできなければ大停電を起こす可能性があった。幸いなことに、電力事業者の懸命の努力によって、全国レベルの大停電が起きるのを阻止することができたとインドの新聞が報じている。インドの送電系統は、隣国のバングラデシュ、ネパール、ブータンとも繋がっているから、そこの制御も含めた対応をしなければならないという難しさもあった。

報道によれば、新型コロナウイルスによる経済活動の低下によって、大気汚染が殆どなくなったことも、発電量の上下の幅を大きくしたようだ。通常なら汚染で太陽光が常に陰っているものが、透明度が増したために発電量が常になく大きくなったのだ。インドには34.6 (GW)(3,460万キロワット)の太陽光発電設備が、全国に広く設置されている。それを2022年迄に100GWに拡大させる目標を建てているように積極的に導入してきた。インドの送電系統は、あれだけ広い国土でありながら、全体が一括して制御されている。現時点で3,460万キロワットに上る太陽光発電の発電量は皆既日蝕の影が国土を移動するにつれて、発電を止める設備が出る。2時間ほどの間に全体の3分の2近く下がり、太陽が月の影から脱すると一斉に新たに発電を始めるのだから、それだけの差を埋めるだけの火力発電や水力発電を待機させておいて順次発電させて補い、影から脱すると稼働を引き下げていかなければならない。一つ間違えば、大停電になる可能性がかなりあったことは確かなことだ。

今朝のニュース番組にひょっとするとインドで大停電というように報じられるのではないかと思っていたが、そのようなニュースはなかったので、インドのためにではあるが、良かったな、と思ったのだった。だが、太陽光発電の容量がさらに大きくなると、大容量蓄電池も含めた対応をしなければ、数年先に起きる皆既日蝕で起きる系統擾乱の制御は難しくなるかも知れない。

 

 

 

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